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日本のひな祭りにはどんな風習がある?ひな人形や桃の節句の由来とあわせて解説

2020年11月20日

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ひな祭りの歴史と風習

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まずは、ひな祭りはそもそもどのような由来ではじまったのか、「ひな」の語源や現代における風習を解説します。

ひな祭りの由来

ひな祭りの由来は、平安時代中頃に、もともと紙人形を作って海や川に人形を流し、身のけがれをおはらいする行事からきているといわれています。

現在でも、一部の地域では「流しびな」などの風習が残っているところもあるようです。

「ひな」の語源

和歌山市加太には、ひな人形の供養で有名な「淡嶋神社」があります。淡嶋神社には、ご祭神として少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られており、女性の病気回復や安産にご利益があるとされています。この「すくなひこな」の「ひこな」が転じて、「ひな」の語源となったともいわれています。

また、平安時代に女の子が遊ぶ人形を「ひいな」と呼んでいたことから、「ひいな」が転じて「ひな」となったともいわれるなど、諸説あります。

現代におけるひな祭りの風習

現代におけるひな祭りには、清めやおはらいというよりも、女の子が健やかに育ち、幸せであるようにとの願いを込めてひな人形を飾るのが風習となっています。桃の花を供えてひなあられ、ひし餅などを並べるのが一般的で、3月2~3日の間にお祝いの席や会食をもうけることもあり、会食の席ではちらし寿司や甘酒(白酒)、はまぐりのお吸い物などが供されます。

ひな人形を飾るのには、娘を授かった親の「子の幸せを想う気持ち」や、女性を難事から守るといった意味合いが込められているのです。

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ひな人形の歴史と変遷

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ひな祭りのシンボルでもあり、女の子を厄災から遠ざける役割もあるひな人形は、いつからどのように日本人の生活へ浸透していったのでしょうか。その起源や歴史について見てみましょう。

ひな人形の起源

ひな人形の起源は、中国にある「上巳節」という3月初旬の節句と、災難や厄を人の代わりに受けてくれる人形を川へ流す「流しびな」という行事に、平安時代の宮中でおこなわれていた人形遊びの1つ「ひいな遊び」といった、いくつかの行事が合わさって生まれたとされています。

上巳節は「3月の始めの巳の日」で、冬から春へと移り変わる季節の節目に悪いことが起こらないように、という思いで厄払いなどをおこなっていたものが日本へと伝わり、「流しびな」と貴族のままごと遊びが「ひな人形で女の子の幸せを願う」という行事へと変わっていったようです。

流すものから飾るものへと変化したのは江戸時代

平安以後、武家社会から江戸時代へと時代が移っていくと、江戸幕府によって5つの節句が制定されます。5月5日の「端午の節句」には男の子の成長を祝い、3月3日の「桃の節句」には女の子の成長を祝うようになっていきます。

また、江戸時代になると職人の手により、人形作りの技術も発展していきます。ひな祭りに使うひな人形も美しく精巧なものへと変わり、次第にひな人形は川へ流すものではなく、家の中で大事に飾るものへと変わっていきました。

豪華なひな人形は、武士の家へ嫁ぐ際に嫁入り道具の1つとしても加えられるようになり、高価なひな人形を持たせることのできる家は裕福さを証明できるとして、男雛と女雛以外の人形や、高いひな段なども加わり、現代のひな人形に近い形が出来上がっていくこととなるのです。

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お内裏様とお雛様の並べ方

ひな人形に欠かせない「お雛様」と「お内裏様」は、お雛様を「女雛」、お内裏様を「男雛」と呼ぶこともあります。お内裏様とお雛様の並べ方については、現在は向かって左にお内裏様、向かって右にお雛様となるのが一般的ですが、古来のスタイルではこれが逆になっており、現在も京都などの一部地域では、向かって右にお内裏様、向かって左にお雛様を並べるところもあります。

現在と昔とでひな人形の並べ方に違いがあるのは、昭和の時代までさかのぼります。大正から昭和へ変わる際、昭和天皇の即位大礼が催されましたが、この時に天皇と皇后が西洋式に並び、写真撮影をおこないました。

西洋式では、向かって左に男性、向かって右に女性の順で並ぶため、昭和天皇と皇后の並び方にならい、ひな人形を作る東京のメーカーがこぞって並び方を変えたものが、現在の形となっているのです。

ひな祭りに桃の花を飾る理由

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最後に、ひな祭りが「桃の節句」といわれる由来と、ひな祭りに桃の花を飾る理由についても解説します。

桃の花には魔除けの効果があるとされていた

桃の花は日本でも古くから親しまれていますが、元々は中国を原産とする植物です。かつて中国では、桃の実には魔除けや邪気をはらう力があると信じられており、現代でもお祝いの席には桃の形のお饅頭がよく出されます。

日本でも同様に桃は縁起の良いものとして考えられており、百歳(ひゃくさい)を「ももとせ」とも呼ぶことから、長生きを象徴する植物としてもとらえられていました。

ちょうど旧暦の3月初旬頃が桃の花の見ごろだったこともあり、ひな祭りを「桃の節句」として、桃の花を飾るようになっています。

桃の花は春の季語にもなっており、薄いピンクの可憐な花びらは、どこか春に微笑む幼い女の子のイメージと重なります。現代においても、桃の花はひな祭りの飾りにぴったりの愛らしい花だといえるでしょう。

まとめ

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ひな祭りは女の子の幸せや成長を願い3月3日におこなわれるお祝いで、中国の上巳節を起源とし、人の代わりに人形に厄災をはらってもらい、川へ流す「流しびな」や、平安時代に宮中の女の子が遊んでいた人形「ひいな」などが由来となっています。

江戸時代にひな人形づくりの技術が上がったことから、ひな人形は家に飾るようになり、邪気を払うといわれる桃の花を供えるようになりました。次にやってくる桃の節句には、昔の人々の気持ちや願いに思いを馳せながら、ひな人形を飾ってみてはいかがでしょうか。

この記事は、「にほんご日和」に掲載された記事をKARUTAにて一部再編集しています。
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